2005年09月07日

模合、やってます!

模合、やってます!模合(もあい)、沖縄の皆さんにとっておなじみの親睦会ですが、他府県の方はピンときませんよね。今ではほとんど親睦の意味をもった飲み会ですが、もともとは、私的な金融互助組織。年配の方なら、頼母子講(たのもしこう)、無尽講(むじんこう)というと理解できるかもしれません。その昔、商売を始めるにしても、農業の機械を購入するにしても、貧しい土地柄ですから、まとまったお金を用立てる術がありません。そこで“模合”を起こします。例えば、20人の人が毎月10万円ずつ持ち寄ります。合計すると200万円、それをひとりが受け取ります。200万円が手に入ります。そうやって、20カ月かけて毎月、順番に200万円を回します。銀行で言うならば、まとまったお金を融資してもらって、毎月返済するようなもんです。銀行制度がまだ確立されていない時代から続いている沖縄の知恵です。しかも、早く取った者は、プラスαの利子を付けて月々の金額を払っていきます。ですから1番最後に取った者が、多少儲かる仕組みになっています。ただ、商売をやっている人は、毎月の売り上げの100万円とか200万円を持ちよるもんですから、参加する者が10人とか20人になると、1000万円から2000万円以上のお金が一度に動くものですから、ひとりでも脱落すると、“模合崩れ”といって大変なことになります。中には、まとまったお金を手に他府県にトンズラする人もいて、2度と帰って来られない人もいるということです。ですから、よほど信頼できる人としか模合は起こせないのです。さすがに現代では、高額なお金を出しての模合はなくなりました。ほとんどが親睦模合です。中学、高校の同級生たちとやっている“同級生模合”。たくさんいとこがいれば“いとこ模合”。職場の同僚達でやっている“職場模合”。社会人なってから知り合った者同士でやっている“異業種模合”。せいぜい1万円を回すかわいい“模合”です。集まっての飲み食いに3000円。私たちの模合も“1万円模合”で、毎月22日に集まるので、会の名前は“22会(ニーニーかい)”。ちなみに沖縄では、“ニーニー”とは“お兄さん”のこと。本当はおじさんおばさんばかりですが、自称、“ニーニー”、“ネーネー”達です。いわゆる“異業種模合”です。これでも私はメンバーの中では若手です。写真は、先月の模合風景です。メンバーは13人ぐらいです。沖縄では、この模合がいろいろな意味で大きな力を発揮しています。もっと知りたい方は続きをご覧ください。

沖縄は、全国でただ一つ、80歳を過ぎたお爺さんお婆さんたちの同窓会が成り立つ県です。それは地縁血縁が強い土地柄だからです。そして、それを支えているのは実は“模合”なんです。“模合”を通じて同級生たちの付き合いは一生続くのです。ですから年をとっても、同級生たちがどこでどんな暮らしをしているのか手に取るように分かるのです。おまけに、仲間たちが支え合い、孤独を味わうことはありません。冠婚葬祭にも最大限力を貸してくれます。私達の“22会(ニーニーかい)”も20年ぐらい続いています。メンバーも、警察OB、不動産会社社長、行政書士、医者、会社重役、土建会社社長、スナック経営者、公務員OBと職業が多岐にわたっています。まさに異業種の集まりです。メンバー皆がプレーンであり、力になるのです。“22会”は“積立模合”なので、毎月積立てた1万円は年末に帰ってきます。メンバーの冠婚葬祭にかかった費用、年に一度の家族参加パーティーにかかった費用を差し引いても、それぞれに、10万円ぐらい戻ってきます。ちょっとしたミニ・ボーナスです。これからの超高齢化社会を考える上で、沖縄のこの習慣は、理想的なシステムと言えるのではないでしょうか。


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Posted by タクちゃん at 20:41│Comments(0)出会いに乾杯!
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e→moai(イーモアイ)のe→moです。新年明けましておめでとうございますm(__)m「模合」について今年はブログも挑戦しようと思いこのTI-DABlogで書かせていただきます...
初ブログ【e→moai(イーモアイ)と共に】at 2007年01月22日 00:38
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